超望遠レンズ

飛行機の写真を撮りたいとは、昔から思っていた。小学生のときは、コンパクトカメラで駅のホームからだが電車の写真を撮ったものです。しかし、飛行機の写真を撮るには、高価な望遠レンズが必要であることを小学生の子供でも知っていた。
父が初めての一眼レフを購入したときについていたレンズは50mmであった。交換できることは知っていても、どんな交換レンズがあるかさえ知らなかった。
大学生になり、サークル活動を始めたとき、サークルの備品にペンタックスの一眼レフがあった。先輩の卒業記念に望遠レンズを買わせた。今考えれば望遠と言うよりマクロレンズだったように思う。
そのときに、望遠レンズというものが「僕にも買えるかも」という実感が芽生え、ついにあこがれの望遠レンズを中古カメラ店で購入した。
オリンパス OM−10
オーサワ 85-300 F5 MACRO

たしか、中古1万円ほどで購入した。
伊丹空港へ何回か飛行機を撮りに行った。当時はまだ関西空港が開港前で国際線が乗り入れていた。
一番の思いでは、湾岸戦争の帰還兵輸送の黄色いリボンを付けたNW(ノースウエスト)機を撮影したことである。(帰還兵が伊丹に来たわけではありません。念のため)
残っている写真を見ると、日本航空の旧カラー(今から2世代前になる)や全日空の727なんかが懐かしい。
今見ると、レンズの性能自体も何となく古さを感じさせます。(単に私の手ぶれかも)

ペンタックス MZ10
シグマ 70-300 F4-5.6 DL MACRO

しばらくカメラからも遠ざかっていたのだが、オートフォーカス一眼レフに興味が出て、当時はEOSKISSが大ブレイクしている中を、「ペンタックスも良い」との神の声(インターネットサイトの購入相談でお世話になりました)から、MZ10と上記レンズと標準レンズのセットを中古で購入しました。
伊丹空港はすでに国内線専用になっており、関西空港デビューはこの組み合わせです。
しかし人間火がついてしまうと物欲は押さえがたく、インターネットで手軽に情報収集できることもあり、道具だけはあっさりステップアップし、同じくシグマの135-400に買い換えました。
(というわけで、70-300の写真はありません。下の写真は、ペンタックスの100-300です。)
ペンタックス Z1
シグマ AP135-400 F4.5-5.6 
MZ10にAP135-400の組み合わせは、かなり辛いものがあります。完全にレンズが勝っていて、マウントがちぎれそうな感じさえあります。(実は実際レンズ側のマウントにがたが来てねじを締め直す羽目に)
というわけで、蟻地獄のようにボディもステップアップしました。
でも、機材をステップアップしたからと言って、写真がうまくならないことをこのときあらためて実感しました。
飛行機を撮影していると、常に左右に腰を振るので、重い機材だと持病の腰痛が悪化して、撮影に行くたびに辛い思いをすることになり、だんだんおっくうになってきました。
オリンパス E100RS
35mm換算38-380mm
いよいよデジカメです。
このカメラ、もともとセミプロ用だったのか高機能、高性能なんですが、発売当時ちょっと時代遅れの150万画素のため、相当売れ残ったらしく、投げ売りが始まりました。インターネットでも価格.comを中心に盛り上がっていて、私も我慢できずに購入しました。
とにかく軽いのが楽です。おまけに手ぶれ補正までついています。
写真で見てわかるとおり、この大きさの違いはあらゆる事を超越して、デジタルの偉大さを感じずにはいられません。
ただし、撮影スタイルが大きく変わり、撮影する楽しみが半減してしまいました。
その理由は電子ファインダーです。左右に移動する飛行機を追いかけるには、この電子ファインダーはまるっきりの役立たずです。Z1のときは、カメラを左右に振りつつ、ベストショットでレリーズしていて、撮影している「ファインダーを切り取る」という実感を味わっていましたが、電子ファインダーでは、像が全然追いつかず、どこを狙っているのかさっぱりわからないのです。
しかしここはデジカメの良さか、連写が効くので、とにかく数打てば当たる方式で、カメラを左右に振ればなんとか撮れるようになりました。でも楽しくない。
同じような悩みは、鳥を撮影する人にもあるらしく、外付けファインダーを自作したりしているようです。
Marui's web page
おまけ)ボディが黒のカメラを撮影するのは難しいですね。おまけに背景を白にしてしまったので。ラバーフードが汚く映ってしまいました。
カシオ QV2900
35mmフィルム換算;40〜320mm相当

勢いというのは怖いもので、デジカメの高倍率ズームが頭をぐるぐる回っている間に、こんなものも手に入れてしまった。
オリンパスのC-2100UZという、E100RSに似たデザインの200万画素機も出回っていたのですが、私は回転レンズに価値を見て、QV2900を購入しました。
これなら出張その他で鞄に入れておけるので、空港での撮影に威力を発揮しました。さすがに出張でE100RSを持ち歩くのも恐ろしいものがあるので。
これは電子ファインダーどころがファインダー自体が無く、液晶でフレーミングするしかありません。また、撮影間隔が(今となっては)恐ろしく長いので、主に駐機している飛行機や、空港機材の撮影をしています。というわけで、それなりに使えています。
理想の高倍率カメラ
飛行機の写真を撮ることに関しては、フィルムカメラに戻ることは考えられません。
その理由は、「フィルムだと機材が重すぎる」ことです。
しかしデジカメには電子ファインダーの欠点があります。光学ファインダーのデジカメ一眼が最近求めやすくなっていますが、アナログカメラのレンズが使えるのが便利な反面、E100RSのような超小型の手ぶれ防止まで備えたレンズが無いのも事実です。
光学式ファインダーもレリーズ時の像消失の問題もあり、電子ファインダーで高品質のものが出ることを期待するのみです。